Javascriptで料理の色彩分析

色彩が人間に与える影響は大変大きい。 料理でいうと、赤や黄色が食欲を増す、とか反対に、青や紫は食欲が下がるといったような説が、様々な研究によって調査されていたりする。 人は味覚だけじゃなくて、視覚も使って料理を楽しむ。特に日本料理なんかは、「目で食べる料理」とも言われる1  。   ちょっと話はかわるけど、料理って国によってムードが変わるきがする。 名前も知らない中国料理見ても、「あ〜これは日本料理だな」って思うことや、インド料理みてフランス料理だと思うことは少ないんじゃないだろうか。(ヨーロッパの料理はちょっと似てるかも) その要因としては、いくつかあげられると思う。例えば、

  1. 味付け
  2. 配置
  3. 使う食材
  4. 料理の色彩バランス   などなど

味付けは、味覚的な要因で、その国独特の香辛料だったり、名産物だったりと食文化が関係しているとかんがえられる。 その他の要因は主に視覚的な要因である。 ここで、もしかして、料理文化(食文化)には、味覚だけじゃなくて、視覚(色彩)にも文化的な差異がありうるのでは? と思ったので、今回は文化的な色彩の違いを、料理写真を使って行ってみた。

 

 分析前の下準備

今回はフランス料理とアメリカ料理と日本料理での比較を行った。 色彩に着目する、といってもこの単語は意味が多様である。 ここで、明度や彩度など様々な要因を取り入れると比較しにくいため、Hue(色相)に着目することにする。 世界の料理シリーズ(タイムライフブックス)から3カ国の料理をランダムにそれぞれ30種類ずつ選ぶ。 選んだら、Google画像からそれっぽい写真を選んできて、料理部分だけきりぬく。

大変めんどうくさい作業

料理写真の切り抜き

次に、Javascriptで、色彩抽出して、HSVで数値をだして、H(Hue:色相)の値を抽出 & CSV形式にしてくれるプログラムをつくった。2 マンセル・カラーシステムと同様に色相環を10分割(R, YR, Y, GY, G, BG, B, PB, P, RP)した。 下の図のように色相環を分割したもの。(適当につくった図なのであまりつっこまないでほしい) マンセル・カラー・システム(10分割) 画素ごとの色相を10分割した色相のうち、どこに当てはまるかを配列に保存する。 ただし料理ごとに全画素数は違うため、各色相に該当する画素数の割合を用いて分析を行う。

分析結果

以下結果。 一つの料理の含む色相割合を各色相ごとにプロットする。10色相×30種類の料理=300プロット たいへんばらけている()

日本料理の色相特徴量割合

日本料理の色相特徴量割合

フランス料理の色相特徴量割合

フランス料理の色相特徴量割合

アメリカ料理の色相特徴量割合

アメリカ料理の色相特徴量割合

各色相特徴量の平均値を出すと以下の表のようになった。

料理写真中に各色相が占める割合の平均値

料理写真中に各色相が占める割合の平均値

表中で、*は日本料理に比べ、フランス料理、アメリカ料理に有意差が見られた色相、**はフランス料理に比べ日本料理に有意差が見られた色相であることを示す。 Rでは、フランス料理とアメリカ料理が日本料理より有意(p<.05) YR, Yでは、日本料理がフランス料理よりも有意(p<.05) それと、有意差はなかったものの、日本料理には、GYやBGが15〜20%占めるものもあった。フランス料理やアメリカ料理には寒色の値が10%を超える料理は見られない(といっても30×2=60種類しか調べてないけど(; ・`д・´))

いろいろ考えたこと

 

たけのこご飯

たけのこご飯(出典:ヤマキ株式会社)

日本料理には、日本人が好む「肌色」がよく使われていると言われている3。 今回の結果でYRやYが多かったのも、その影響ではないだろうか4 。 3カ国のグラフからもわかるように、料理には暖色がメインカラーになる5 ことが多いから、相対的に日本料理ではRが他の国の料理によりも低くなったのではないか、と予想する。 やはり他の国とくらべても「肌色の色合い」というのは、日本料理では多く使われているのかもしれない(ちょっと今回は母数が少ない)。

じゃこ菜めし

じゃこ菜めし(出典:ミリアムのキッチン)

日本料理でGYやBGが15〜20% を占めた料理では、「菜めし」に含まれる菜っ葉や、「さつま汁」 に含まれる長ネギなどが食材に含まれていた。 日本料理というのは、緑色の季節の野菜を取り入れるル ールが存在することがわかっている6 。 もしかしたら肌色だけでなく、緑色のような色みが、日本料理の中では他国のように「ポイントカラー」としてではなく、メインに次ぐ「サブカラー」として使われているのかもしれない。


今回の調査では、日本料理の特色しかわからなかったので、いろいろサンプル数(料理・国)を増やしていかないと、まだ特徴だとは断定できないかもしれない。 でも、お国柄によってでてくる個性っていうのはおもしろいね。

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  1. 兵庫栄養調理製菓専門学校. “栄養コラム なでしこ通信”. www.hyoei.ac.jp/library/nadeshiko/198.html, (参照2014-06-27) []
  2. といっても、色彩抽出して、HSVに数値変換するとこまでは借り物のプログラムだし、CSVつったってテキスト形式で書きだしてそっからExcelで開きなおして表にしてるだけです。それでもプログラム欲しい声が多ければgithubにでもあげるのでご一報ください []
  3. 大谷貴美子, 饗庭照美, 徳田涼子, 尾崎彩子, 南出隆久. 椀盛の色彩分析: イメージアナライザーを利用して. 日本調理科学会誌. 2001, 34(3), p. 270-275. []
  4. 今回は色の明るさや彩度に関しては考慮にいれなかった。そのため、肌色もオレンジや黄色に該当したと考えられる []
  5. 緑色などは、ポイントカラーで使われる []
  6. 大谷貴美子, 饗庭照美, 徳田涼子, 尾崎彩子, 南出隆久. 椀盛の色彩分析: イメージアナライザーを利用して. 日本調理科学会誌. 2001, 34(3), p. 270-275. []

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